インドのモディ首相は、2020年2月6日の下院議会での演説で、「インド東北部は開発の重要な原動力となる地域であり、最早無視される地域ではない。」と述べました。
インドの東北部は、インドの東北に位置する8州を指し、中国、バングラデシュ、ミヤンマー、ネパール、ブータンと国境を接しています。多数の部族が居住し、言語、宗教も入り乱れており、国境紛争とともに州内の問題も多い地域です。
(←メガラヤ州シロンで開催された食品市 )
海岸地帯から7000メートル級の山岳地に亘る地形は深い森に覆われる多湿の地域で、石油(アッサム、アラカン盆地で埋蔵量の23%)・天然ガス(アッサム州で埋蔵量の12%)等の資源に恵まれているが、外国人が入ることを制限されている地域(シッキム州の一部。マニプール、ナガランド、ミゾラム州の入域者は外国人登録所に登録が必要)もあり、インフラ整備の遅れに加え産業の成長の足かせの一部になっていました。
2020年度の東北部の予算において、天然ガスのパイプラインの増設、国際空港及び鉄道・道路・水路の建設に重点配分されています。
インドと日本は、2017年12月から東北部の開発のためアクトイーストフォーラムを開催しており、中国に対するけん制の狙いも含め、日本はこの地域の道路新設、農業用灌漑設備等インフラ整備を支援しています。
安倍首相は、2019年12月にインド東北部の最大都市である、アッサム州グワハティにおいてモディ首相と会談し、慰霊の目的でインパールを訪問する計画でしたが、当地で発生した市民権法改正案反対の抗議の影響により直前になって延期されました。
(参考)