2019年9月20日、インド政府は、景気浮揚に向けた民間投資促進策として、205億ドル規模の法人税減税を表明しました。
これまで30%であった法人税を22%に減税することによって、他のアジア諸国並みの法人税になります。この措置は2019年4月まで遡って適用されます。
加えて、2019年10月1日以降に新規で設立された会社で、2023年3月までに生産を開始する企業の法人税率は、25%から15%に軽減されます。法人税の減税は、インドの国内企業だけでなく、外資系企業も対象になります。
法人税減税により、2017年の高額紙幣の流通禁止やGST(物品サービス税)導入により低調気味であった経済成長率(実質国内総生産(GDP)による)を、回復させることが期待されています。
2018年度のインドの経済成長率は7.05%で、中国の6.57%、アメリカの2.86%を上回っています。世界的な需要の高まり、生産年齢人口(生産活動の中核の労働力になる年齢の人口)増加等により、インドは7~8%の経済成長が続くと予想されています。
この経済成長は、政府の明確な方針である「メイク イン インディア」のもと、世界の製造企業を引きつけ、インドを魅力的な製造ハブに発展させる原動力になると思われます。流動的な世界の経済状況の中、経済が減速している中国から「世界の工場」の座を奪うという、インドの大胆な目論見が成功するかもしれません。