インド農村部の水事情 - インドビジネス特化型コンサルティング:日印ビジネス支援協会

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インド農村部の水事情

新型コロナウィルス感染者が、世界第2位の600万人超えるインドにおいて、清潔で安全な水へのアクセスは不可欠ですが、感染を予防するための清潔な水による手洗いもできない状況です。

モディ首相は、2024年までに14500万世帯の農村部に水道を整備すると宣言していますが、2019年現在農村部の84%の世帯が水道管による供給を受けていません。

また、農村部の水の11人当たりの供給量を55リットル(都市部11人当たり135リットル)に増やすことを目標としていますが、7分間のシャワーで55リットルを使用することを考えると目標値は低いと言わざるを得ません。

インドで供給される水の4割は地下水によるものですが、地下水の減少やヒ素等による汚染も深刻です。インドの人口が増え続けると、国民に水を供給できなくなる日「Day Zero」が現実的なものになる恐れがあります。

2020.6.26インドが中国やネパールとの国境問題に注視している最中、同じく隣国のブータンがインド国境沿いにある灌漑用水路を封鎖したとのニュースが流れ、怒った農民が抗議デモをしました。実際は自然崩壊した水路を修理するための一時的な処置でしたが、農民にとって水の確保が死活にかかわる問題であることを示しています。

 

モディ首相は、2019年ジャル・シャクティ省(The Ministry of Jal ShaktiJal Shakti:ヒンディー語で「水の力」)という水資源開発、ガンジス川再生、飲料水・公衆衛生省等を統合して水の問題だけを取り扱う新しい省を新設しました。新型コロナウィルスの蔓延の中で、安全な水の供給と水不足の改善につながることが期待されます。

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