インドのガソリン価格が1リットル当たり100ルピー(約145円)を超えました(2020年11月初旬は約84ルピー)。インドの野党は、燃料価格の高騰について激しく現政権を非難していますが、モディ首相は、石油を85%も海外に依存していることが問題であり、もっと早く手を打って来なかったことこそが問題だと、間接的に野党を非難しました。
モディ首相は、燃料の海外依存を減らすためサトウキビ抽出のエタノールに着目し、2025年までに燃料の20%をこれでカバーし、さらに2030年までにエネルギーの40%を再生可能エネルギーにすると述べました。また、470地域における都市ガス化を含むエネルギーインフラに7兆5千億ルピー(約10兆9千億円)を支出するとも述べました。
インドのガソリンとディーゼル油の小売り価格にはそれぞれ60%と54%の中央並びに州税が含まれていますが、この税額を変えることはしないようです。
再生可能エネルギーのうち、太陽光発電については、中国製のソーラーパネル(太陽電池モジュール)の価格が高騰しており、 インドの太陽光発電業者は苦境に立たされています(注:インドのソーラーパネルの8割以上が中国から輸入されており、この中国製品の価格が高騰している)。今後、インド製のソーラーパネルに切り替える案も出ていますが、費用対効果に疑問を抱く企業もあり、すんなり切り替えられるとは思われません。
乗り越えるべき障壁は多いのですが、モディ首相が目指すとおり、2030年までに40%という目標をなんとか達成し、エネルギー分野で世界の手本となる国家に成長してほしいものです。
(teriin.org)