インドのモディ首相は、9月21日アメリカで開催されたQUAD(Quadrilateral Security Dialogue日米豪印戦略会合)サミットに出席しました。QUADは、自由や民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する日米豪印の4か国の枠組みです。中国の覇権主義的な動きに対応する形で2019年に外相会合が初開催され、今会のサミットは4回目の首脳級の会合になります。
退任するバイデン大統領は、QUADの重要性を認識しており、自身の出身地であるデラウエア州のウィルミントンで開催しました。会談終了後、包括的で強靭な自由で開かれたインド太平洋への確固たるコミットメントを再確認する(ウィルミントン宣言)を発表しました。
モディ首相は、ルールに基づく国際秩序及び主権と領土保全の尊重を確認しましたが、「誰とも敵対せずすべての問題の平和的解決を支持する」という発言をするにとどまりました。モディ首相も本QUADが中国の覇権的な行動に対抗するものであることは十分理解している反面、中国との決定的な関係悪化を避けたいとの思惑からこのような発言になったものと推測されます。
日印豪の各首脳は、国連総会出席の前にQUAD サミットに参加したもので、バイデン大統領退任後もQUADは継続されます。モディ首相は、QUADを世界の善の力と表現し、今後もQUADに留まりパートナーとして貢献していくことを表明しました。なお、次回のQUADサミットは、来年インドで開催されます。
(Photo: mathrubhumi.com)