2024年8月インド国産の2隻目の弾道ミサイル原子力潜水艦アリガート(Arighaat)が進水しました。インド海軍は、2025年4月現在、通常型のディーゼル潜水艦17隻と国産の2隻の弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)を保有しています。SSBNのもう1隻は、2016年に就役したアリハント(Arihant)です。
インドの原子力潜水艦の国産化の歴史は、ロシアからの攻撃型原子力潜水艦(SSN)のリースから始まっており、2012年からチャクラⅡ(ChakraⅡ)を10年間リースの後2021年に返還しました。2024年に新たにチャクラⅢのリースを契約しましたが、ウクライナ戦争とそれに伴う西側の対ロシア制裁により実際の調達は大幅に遅延しています。
国産の2隻のSSBNの搭載武器等の要目の詳細は公表されていませんが、米国、ロシア、中国、英国、フランスに続く6番目の保有国であり、更に同型SSBN4隻を建造する計画です。SSBNの建造や運用には特別な技能が必要であり、ロシアからのSSNリースが国産化に大きく貢献していると思われます。
インド洋への進出を強める中国を念頭に置いたインドの海軍力強化が、我が国を含む自由で開かれたインド太平洋(FOIP)戦略に良い影響を及ぼすことが期待されます。
(Arighaatの進水式 Photo: The Indian EYE)