インドのモディ首相は、5月10日ハイデラバードでの市民集会において、中東情勢の緊迫が経済に及ぼす深刻な影響を強調し、国民に対し燃料消費の抑制、海外旅行の自制、金購入の一時停止を呼びかけました。
インドは燃料需要の約85%を輸入に頼っており、原油輸入の約50%、液化天然ガスの約60%、液化石油ガス(LPG)のほぼすべてをホルムズ海峡に依存しています。エネルギー価格の高騰により、インドの貿易収支と経常収支の赤字は大幅に拡大することが予想され、ルピーの下落も継続しています。
国民に在宅勤務や飛行機利用の自制を求めるのは燃料消費削減を目的とし、婚礼等における金製品購入自粛は外貨消費抑制を期待した要請です。金購入の制限は1年間に限った要請ですが、金はインドの経済・文化に深く根付いているので実効のほどは不明です。
コロナパンデミック以来見られなかった緊縮財政を国民に求めるのは、輸入額の高騰による経常収支の悪化や外貨準備額の減少が予測されるためです。日本政府は節約の要請に至っていませんが、インドの節約政策の推移と効果に注目する必要があります。
(節約を呼びかけるモディ首相)
(Photo: DECCAN Chronicle)