東京に住むインド人(7900人 東京都調べ)の約半数が江戸川区西葛西や船堀、江東区東大島周辺に多いといわれている。この周辺にインド人コミュニティがある理由の一つはインド人学校があるからだそうだ。タトゥワインターナショナルスクール、GIIS、IISJと3校である。
タトゥワの特色は、イギリスのケンブリッジ式と呼ばれる教育カリキュラム。GIISとIISJはCBSEと呼ばれるインド式のカリキュラムを採用している。CBSEは記憶することに重点をおいたプログラムで、ケンブリッジ式は考えさせることに重点を置き、CBSEはインドの学校が多く採用していて、たとえば歴史はインドの歴史を詳しく教え、インドの教育と同じような内容だそう。
日本からどこかへ転勤すると、子供をインターナショナルスクールやインド人学校に転校させるケースが多くなる。転校先が同じカリキュラムだとスムーズに転入できる。学校が増えたことで、子供の教育カリキュラムを選べるようになったわけである。タトゥワの年間授業料は60万円台でGIISやIISJより若干低めだが、3校とも欧米系インターナショナルスクールと比べると破格の安さだ。学費はもちろん学校により異なるが、欧米系の約3分の1だという。今タトゥワやGIIS、IISJに日本人の子供が増えている理由の一つがお値打ちの授業料にあるのかもしれない。
西葛西に校舎があるGIISは同じ江戸川区東葛西に2017年分校ができ生徒数600人を超えるというが、タトゥワと同じく約2割が日本人だ。学校では、インド人コミュニティに日本人が流入する逆転現象が起きているようである。
GIISに通う私の知人アディアちゃんは、生まれも育ちも日本!GIISに通う13歳の女の子。幼稚園は日本の幼稚園に通ったが、いつか帰国するかもしれないときの教育を考え、両親がGIISを選んだそう。とはいえ日本育ち、日本のおにぎりやお弁当を好み、スイミングスクールへも通って多少は日本人と交流を持つ。学校から地域の公立中学校へ行く交流イベントも経験したそうで、中学校で歌やダンスを披露したり中学生と一日過ごせたのはいい経験だったと話してくれた。日本語能力試験にもチャレンジしN4レベルに合格!今後の学習にも意欲を示している。
このように地域に住むインド人が日本に溶け込み日本人コミュニティと交流する機会を増やし相互理解が進むことを期待したい。