2019年7月5日、インドの財務大臣は、2019年度(2019.4~2020.3)のインド予算を国会に提出しました。2019年度は総選挙が実施されるため、2月1日に暫定予算(予算額27兆8,420億ルピー=約43兆7,119億円)が発表されていましたが、この度正式な予算として発表されました。歳出予算額は、前年比13.4%増の27兆8,634億9,000万ルピー(約43兆7,457億円)で、暫定予算を約214億ルピー増額する修正がなされています。財務大臣は予算発表演説の中で、今後10年間の10のビジョンを発表しました。
1 国民が一丸となる「チーム・インディア」の構築、最小政府による最大統治
2 無公害のインドを通じて緑の大地と青空の実現
3 デジタル・インドを経済のあらゆる分野に拡大
4 宇宙開発・衛星プログラムを推進
5 物理的・社会的インフラの整備
6 水資源管理・河川の整備
7 ブルーエコノミー(海洋開発)
8 食用穀物、豆類、果物、野菜等の自給自足および輸出
9 女性と児童の保護、国民の安全を通じた健康な社会の実現
10 以下の分野に指向した製造業の振興(メイク・イン・インディア)
中小規模企業、スタートアップ、防衛、自動車、電子機器、半導体、電池、医療機器
2019年度予算の特徴として、交通・道路等のインフラ整備、デジタル(支払い等)経済、雇用創出に重点志向し、国内資金のみならず海外からの投資環境も整えています。
予算発表演説をしたニルマラ・シタラマン(Nirmala Sitharaman)財務大臣は、総選挙後の5月末に就任したインディラ・ガンジー元首相以来の女性財務大臣です。財務大臣は予算演説の中で、モディ内閣が承認された選挙の結果を受けて、インドは安定した輝く新しいインドとなり、溢れんばかりの希望と意志に満ちていると述べています。
モディ内閣の代表的な女性政治家スシュマ・スワラージ(Sushma Swaraj)が健康問題を理由に見送った外務大臣の後任に、スブラマニヤム・ジャイシャンカル(SubrahmanyamJaishankar)元外務次官が就任しました。ジャイシャンカル外務大臣は、官僚出身で在日本大使館勤務もあり、奥さんが日本人という知日家です。
上記予算にみられるようにインフラ、農業関連に重点が置かれており、これらと連携して製造業の育成やデジタル化が併行して進められる予算となっています。
弊社においては水やごみ処理事業を始め再生可能エネルギー分野、農業事業に取り組んでおり本年度予算の進む方向とまさに合致しているといえます。
これらの経験を活かしてお客様のインド事業展開に今後も務めてまいります。
写真はウィキペディア、インド財務省公式サイトより出典:
ジャイシャンカル外務大臣:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%8B%99%E5%A4%A7%E8%87%A3_(%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89)
シタラマン財務大臣: