インド政府は、8月25日、エアインディアを売却するための入札に関心を表明する(EoI: Expression of Interest)期限を10月30日まで延期することを決定しました。当初の計画は3月17日が期限であったものが4回延期されており、このまま順調に進めば入札者は、11月20日に決まる予定です。
エアインディアの売却は、2018年に計画されましたが、負債額が大きく、株も一部インド政府が保持したまま等の要因により不調に終わりました。2020.1.27、インド政府は負債の引受額を32.6憶ドル(約3,520億円)に減額し、株の100%売却を決断して再度売却手続きに入ったにも関わらず、入札に関心を示す企業が現れていない状況(Doldrums: 無風地帯)が続いています。
新型コロナウィルスの大流行と関連する航空業界の不振により、エアインディアの財政状況は更に悪化しており、賃金カット、無給休暇等のコスト削減を実施していますが状況は悪くなるばかりです。インド政府は、外国企業の参入を促し、負債の引受額を更に減少することを検討していますが、前途は多難です。売却できない場合は、エアインディアの閉鎖も視野に入る恐れがあり、インド政府としての更なる条件緩和が望まれています。