2020年10月6日、インドの保健・家族福祉省(Ministry of Health and Family Welfare)のハーシュ・バルダン(Harsh Vardhan)大臣は、アーユルベーダやヨガを活用する新型コロナウイルスの管理手順(Management Protocol)を発表しました。
アーユルベーダ等は、インド古来の伝承医学として知られていましたが、モディ首相がその重要性を強調するまであまり注目されていませんでした。モディ首相は、2014年アーユルベーダやヨガを研究・推奨するAYUSH省を設立し独立した国務大臣を置き、近代西洋医学と異なる医療政策を推進しています。
発表された管理手順の中で、新型コロナウイルスの感染予防や重症化の回避のためには、体内の良好な免疫システムが不可欠であり、アーユルベーダやヨガ等のインド古来の療法が免疫システムに良い影響を与えると述べています。アーユルベーダ等で使用される薬草、医薬品、自然の食品等が、リスクの高い集団や患者との接触時の予防策になり、重症化を防ぐ目的の薬品や無症状の患者のための薬品も紹介しています。実際の処方は、アーユルベーダ等の専門医による臨床的判断や患者の年齢、体力等により実施されます。
この管理手順は、アーユルベーダ等の古典からの知識と臨床経験、生物学的妥当性及び最新の臨床研究を考慮し作成され、関連する学術委員会により承認されています。
新型コロナウイルスの治療にはいまだ未知の部分があるため、アーユルベーダ等を活用した管理手順と近代医学の融合が新たな効力を発揮することが期待されています。
AYUSH頭文字の意味:
Ayurveda(アーユルベェーダ:インド5000年の伝承医学)
Yoga&Naturopathy(ヨガ、ナチュロパシー:自然療法)
Unani(ユナニ医学:古代ギリシャを起源とする伝承医学)
Siddha(シッダ医学:南インド地方に伝わる極めて古い伝統医学)
Homeopathy(ホメオパシー:ドイツ起源の自己治癒療法)
先日、日本在住のインド人の友人のご両親(インド在住)がコロナに感染したという話を聞いて心配していましたが、2週間後友人から連絡があり、ご両親は無事に回復したと聞き安心しました。
その友人の話では日ごろからホメオパシーを取り入れていたのでその効果があったのかもとのことでした。コロナのワクチンや薬が普及していない状態で自然治癒力を高めるとされるものを取り入れたい気持ちは理解できるような気がします。